2008年10月4日、日本の古都―奈良において、ウズベキスタン文化・芸術フォーラム基金主催の「偉大なるシルクロード芸術特別展」が開会され、1ヶ月にわたって開催された。開会式及びレセプションには、荒井正吾奈良県知事、高市早苗経済産業副大臣、中山恭子内閣総理大臣補佐官、中馬弘毅衆議院議員、塩川正十郎東洋大学総長、安田暎胤薬師寺管長、中村仁読売新聞大阪本社社長等が出席しました。また、二階俊博経済産業大臣、中曽根弘文外務大臣などからメッセージが寄せられました。
現在の近代都市・奈良は、1200年前には「平城」の名の下、日本最初の首都でした。こじんまりとした静かな都市であり、その深い歴史と古代遺産で人々を惹きつけ、日本の観光の「聖地」となっています。
展覧会では、個人コレクションから集められたすばらしいアンティーク品が展示され、古都の日常に調和していました。
シルクロードのさまざまな地域で見られる「輪郭のぼやけた」模様が特徴の絹、半絹、綿の織物、「イカット」は注目に値します。イカットの生産の中心地は19世紀にはフェルガナ渓谷、また、サマルカンド、ブハラ、ヒヴァにありました。古いイカットのどの断片をとっても絵のキャンパスのようで、ウズベクの織物に描かれた絵の生彩は驚くような印象を与えてくれます。
展示の中には、伝統的な半絹の織物「アドラス」や「ベカサマ」から作られた幾何学模様の描かれた祭典用の上衣、シルク生地「ショイ」から作った服のサンプルが展示されました。その他に伝統衣装や19世紀後半から20世紀までのウズベキスタンの主な地方すべてを網羅した装飾伝統工芸としての刺繍も展示されました。
展覧会ではよそゆき、普段着、身分、式典、宗教儀式、年齢などに分類して衣服が展示されました。また、「バフマリャ」「アドラス」「バノラス」から作ったイスラム教徒の女性の外出用の長衣、男性用のさまざまな綿製上衣、金刺繍の入ったビロード、19世紀終わりから20世紀初めまでブハラ、ヒヴァ、タシケント、サマルカンド、フェルガナに存在した絹・半絹の上衣などの男性用・女性用の衣服、さらに、男性用の丸帽、帯、スカーフ、マフラー、女性用の額につけるバンド、ブーツ、パンプスなどの展示品が60点も展示されました。
そして、布の製造に必要な材料とともに機織機も展示され、ハンドメイドのものから工場製のものまで布の製造工程を説明したビデオが上映されました。
ウズベキスタン歌手ムノジャット・イウルチエヴァおよび民族舞踊団「オファリン」の華やかな演目が展覧会の開会式に花を添えました。
近年、フォーラム基金は日本・ウズベキスタン間の文化交流に大きく貢献しております。2006年6月、駐日代表部が正式に東京に開設してから、日本においてさまざまな文化イベントが開催されました。憲政記念館におけるウズベキスタンの写真史125年展、シルクロードに関連したさまざまなイベント、ウズベキスタン文化週間、東京およびタシケントにおいて開催された日本・ウズベキスタンビジネスフォーラム、ウズベキスタン建築展、ウズベキスタン映画祭、展覧会「ウズベキスタンの子供たちが見た日本」「日本の子供たちが見たウズベキスタン」、香川県におけるウズベキスタン民族衣装展などが開催されてきました。